二階高さ、天井形式について
摠見寺の絵図(伽藍配置図)を見ると、本堂は、
一般的な裳階付き仏堂のようにしか描かれていないので、
絵図だけでは、とても二階があるようには見えないが、
記録には、二階に観音像が安置されていたとあるので、
二階の空間が、何らかの形で存在しなければおかしい・・・。
絵図には、屋根の両脇の線が、組物のすぐ下に付いているのだが、
柱の部分は、若干立ち上がりが有るように描かれているので、
棟瓦の立ち上がり+α 程度の二階壁の立ち上がりは想定できるが、
それだけでは、あまりに階高が低すぎる。
考えられる可能性としては、
一階の屋根裏に二階の空間が割り込んでいる形式だが、
その場合、中世密教本堂の主流である、化粧屋根裏では、
一階の屋根裏(天井懐)がほとんど取れないので、
摠見寺本堂、一階の天井は、
霊山寺本堂のような、一面に天井を張る形式であったと考えられる。
ただ、それでも二階階高が低すぎる事には変わりが無く、
二階に天井板を張ると圧迫感が強そうなので、
二階天井は、禅宗仏殿風に化粧屋根裏で、
構造を表す形式だったと考えます。
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