信長150回忌法要
摠見寺殿一百五十年諱法會當日式
六月二日、辰の刻、
一番大鐘(だいしょう)、大衆(だいしゅ)衣を整う。
二番殿鐘(でんしょう)、大衆出頭。
衆集いて殿鐘を上げむ[と]、
両序(りょうじょ)立班(りつはん)、大衆同じく立つ。
拈香(ねんこう)和尚に告報(こくほう)す、
和尚、侍衣(じえ)侍香(じこう)聴呼(ちょうこ)を相(あい)随(したが)え、
出でて東門より仏殿に入り、東邊(へん)の椅子に坐(ざ)す。
侍衣・侍香・聴呼・齋(いつ)く[と]、和尚の後ろに侍(じ)す。
維那(いな)宗諄首座、位を離れ出でて拈香和尚に問訊(もんじん)し、
拈香の佛事を請(しょう)す也(なり)。宗諄首座、位に歸(かえ)る。
和尚中央に進み、侍衣、東序(とうじょ)の後に立つ、
侍香、和尚の後ろに侍す。
和尚、普同問訊(ふどうもんじん)す、侍香瓣香(べんこう)を捧(ささ)ぐ。
[和尚が拈香法語(ねんこうほうご)を唱える]
和尚、語を唱(とな)え了(おわり)て、牌前に進み香を炷(た)き、
中央に歸(かえ)りて問訊す。
身を轉(まろ)め、亦東門自(より)出でて、殿後に入る。
大衆、坐(とど)め休(きゅう)す。
行者(あんじゃ)、[殿]南に、對靈(たいれい)して
北面に陞座(しんぞ)の坐を設(もう)く。
椅子の後(うしろ)べに柱杖(しゅじょう)を靠(か)く、
左に大卓(だいたく)を設く、
上に香爐(こうろ)大香合(だいこうごう)拂子(ほっす)を安ず。
坐を設け了(おわ)る。
両序、位を轉(まろ)め立班、大衆同じく立つ。
和尚に告報(こくほう)、東門自(より)入りて東邊の椅子に坐す。
侍衣・侍香等前の如く。
維那、宗諄首座、位を離れ出でて和尚に問訊し、
是(こ)れ、陞座(しんぞ)を請する也。
和尚、位を離れ出でて南邊の椅子に坐す、
侍香、東序の後に立つ、侍衣・侍香、椅子の前に出でて問訊す。
次に西序次に東序、各位、問訊了る。
侍香、卓に進み請法(しょうほう)の香を炷(ちゅう)す、
身を轉(まろ)め、和尚に問訊し、拂子を進む。
和尚、拂[子]を拈じて垂語(すいご)。
禪客(ぜんかく)出陣して、問答す。
和尚、法語(ほうご)了りて下座(げざ)、
亦、殿後に入りて[伝]法衣を脱(あらた?)め、九條[袈裟]に換う。
両序立班、大衆同じく立つ。
和尚に告報(こくほう)、和尚出でて、中央に進み燒香、
行者(あんじゃ)磬(けい)を鳴らし、維那、啓請(けいしょう)を挙(こ)す。
和尚中央に立ち、維那、南無薩[婆]胆多(なむさぼたた)を挙(きょ)し、
和尚西序に問訊し、直ちに行道(ぎょうどう)、
次に大衆、次に東序、五段の大衆、歸位(きい)、両庵[班]立班、
和尚、燒香如常(にょじょう)、囘向(えこう)了(おわ)る。
和尚、亦、殿後に入りて、道具衣(どうぐえ)を脱ぎ、布衣(ほい)に換え、
書院に就(つ)き于(て)、叉手(さしゅ)着座(ちゃくざ)喫齋(きっさい)。
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