摠見寺再建コンペ
安土城考古博物館で行われた、摠見寺再建コンペを聴講してきました。
ということで、とりあえずコンペの感想。
新聞社とテレビ局も取材に来ていたが、
参加者は、学生と関係者がほとんどでした。
最優秀賞は、滋賀県立大学の「上総介ヲ宿ス」だったのだが、
個人的には、優秀賞だった鳥取環境大学のものが首席だと思いました。
ただ、鳥取環境大学の彼は、下を向いている時間が長かったような気が・・・。
コンペの要項の第一に「復元を基本とします」と書いてあるわりには、
みなさま、自由な発想で計画していて、なかなかおもしろかった。
特に、武蔵野大学の案は、外観は普通の?禅宗仏殿風なのだが、
内部は、土間床で、上に向って少しずつ回転してゆく形に梁が架けられていて、
実際に作られた場合、建築雑誌で高い評価を受けそうな、
現代建築のような、斬新な内部空間だった。
住職も、一次審査で票を入れてたから、復元コンペでなければ入選してたかも。
選外でしたが、広島大学の佐藤大規さんも発表していました。
佐藤大規さんを見るのは、初めてでしたが、なかなかカッコ良くて、
発表慣れしていて、声もイイじゃないですか。
広島大学の案は、鳥取環境大学と方向性が、かぶっていた事と、
「二間四面」と書かれる文献資料を厳密に解釈したために、
二階を二間四方で復元してあって、摠見寺境内絵図で描かれた仏殿と比べると、
少し、二階が小さすぎる感じがした事に、問題があったのではないかと。
あと、やはり素人受け?する為には、CG画像や模型は必須だったような…。
発表でも、和樣と唐樣の斗栱の違いを説明していましたが、
この違いは、専門家なら当たり前の常識だし、素人ならどっちでも関係ない?
事なので、わざわざ説明に時間を割く必要は無かったと思われ、
この辺りのことも、選外になってしまった理由かも。
模型に力が入っていたのは、佳作の東京大学でした、
なんでも材料費に10万かかったとか。禅宗仏殿としての完成度も非常に高く、
博物館に納品ならば500位しそうな、豪華な模型でした。が、
東京大学ということで?審査員に少しイジメられていました、
学生なんだから、なにもそこまで突っ込まなくても良いのでは…
といった感じで、傍から見てる分には、けっこうオモシロかった。
コンペ全体の感想としては、最優秀賞になった滋賀県立大学の案そのままで、
実際の建築が建てられると、資料との間の齟齬が多すぎて、問題だと思われるが、
最優秀賞で復元しないのは、コンペの趣旨として問題があるので、
今後の摠見寺の再建プロジェクトはどうなるのでしょうか?
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